Flutterで“できること・できないこと”を具体的に解説!初心者向けガイド
生徒
「Flutterって聞くとすごいけど、具体的にどんなものが作れるの?逆に、できないこともあるのかな?」
先生
「Flutterは色々なアプリに使えるけれど、得意な領域と不得意な領域があるんだ。順番に紹介するね!」
1. Flutterで“できること”:何が作れるの?
ここではFlutterで実現しやすい「作れるもの」を、初心者向けに具体例つきで整理します。スマホアプリ開発を始めたい人や、クロスプラットフォームで効率よく作りたい人が最初に押さえるべきポイントです。
Flutterは1つのDartコードを中心に、iOS/Android/Web/デスクトップへ展開できるのが強み。画面の見た目(UI)を自分で組み立てるのが得意なので、「見た目が整ったアプリ」を作りやすいのも特徴です。
-
モバイルアプリ(iOS/Android)
もっとも得意な領域です。ログイン画面、一覧画面、設定画面など、一般的なスマホアプリのUIをまとめて作れます。カスタムボタンやアニメーションも作りやすく、更新も素早いのが魅力です。初心者向けサンプル:ボタンでメッセージを切り替えるimport 'package:flutter/material.dart'; class HelloSwitchApp extends StatefulWidget { @override State<HelloSwitchApp> createState() => _HelloSwitchAppState(); } class _HelloSwitchAppState extends State<HelloSwitchApp> { String message = 'はじめまして!'; @override Widget build(BuildContext context) { return MaterialApp( home: Scaffold( appBar: AppBar(title: const Text('Flutter入門')), body: Center( child: Column( mainAxisAlignment: MainAxisAlignment.center, children: [ Text(message, style: const TextStyle(fontSize: 24)), const SizedBox(height: 16), ElevatedButton( onPressed: () { setState(() { message = (message == 'はじめまして!') ? 'ボタンで表示が変わりました' : 'はじめまして!'; }); }, child: const Text('押してみる'), ), ], ), ), ), ); } }解説:「押してみる」を押すと、画面の文字が切り替わります。ここで大事なのは、見た目(TextやButton)を並べて作り、ボタンを押したときにsetStateで「表示に使う変数」を更新している点です。初心者はまず「変数を変える → 画面が変わる」という流れを体験すると理解が早いです。
-
Webアプリ&PWA
ブラウザで動くWebアプリも作れます。社内ツールの簡易画面、入力フォーム、ダッシュボードのようなUIが得意です。PWAとしてホーム画面に追加する形で使うケースもあります。ポイント:Webでも同じウィジェット構成でUIを作れるため、まずはモバイルで作った画面をWebへ広げる流れが取りやすいです。
-
デスクトップアプリ(Windows/macOS/Linux)
パソコン向けのアプリも開発できます。たとえば、顧客管理の入力ツール、在庫チェックの管理画面、チャットのような業務アプリなどに向いています。ポイント:画面中心のアプリ(フォーム・一覧・設定)が作りやすく、同じ設計で複数OSに対応しやすいのが強みです。
-
UIプロトタイピング・MVP試作
画面を組み立ててすぐ動かせるので、アイデアの確認や試作品(MVP)作りに向きます。デザインを少し変えて動きを確認する、といった試行錯誤がしやすいです。ポイント:「まず見た目を作る→実際に触って改善する」という流れが取りやすく、初心者でも完成イメージを掴みやすいです。
-
ビジネス・業務アプリ(フォーム/一覧/通知など)
入力フォーム、リスト表示、検索、データの保存、通知など、実務でよくある機能に対応できます。予約管理、勤怠メモ、チェックリスト、問い合わせ管理などのアプリにも応用しやすいです。ポイント:「画面の数が多い」「入力が多い」タイプのアプリでも、画面の部品を再利用しながら作れるのが便利です。
-
2Dグラフィックスやアニメーション
画面表示を細かく制御できるため、2Dの表現やアニメーションが得意です。ボタンのふわっとした動き、画面遷移の演出、カードが滑るようなUIなど、アプリの体験をリッチにできます。ポイント:「見た目の気持ちよさ」を作り込みやすいので、UI重視のアプリと相性が良いです。
2. Flutterで“できないこと”は?注意すべき制限
ここではFlutterが「苦手になりやすいこと」を、初心者にもイメージできるように整理します。Flutterは万能ではないので、作りたいものによっては別の技術を組み合わせたほうが早い場面があります。事前に制限を知っておくと、開発途中で困りにくくなります。
-
高度な3Dゲームやリアルタイム処理
Flutterでもゲームっぽい表現はできますが、複雑な3D描画や高速な物理演算が必要な本格3Dゲームは得意分野ではありません。大量のオブジェクトを常に動かす処理は、専用エンジンのほうが効率的です。目安:「画面がサクサク動く3D」「対戦で超低遅延」などが必須なら、最初からゲームエンジンも視野に入れると安全です。
-
低レイヤーなデバイス制御(端末の細かい機能)
カメラの特殊な設定、BLEの細かい通信制御、USB機器の扱いなどは、Flutterだけで完結できないケースがあります。多くはプラグインで対応できますが、要件が特殊だとネイティブ側の実装が必要になります。初心者向けサンプル:Flutterから「端末機能」を呼ぶイメージ(疑似コード)import 'package:flutter/services.dart'; // Flutter → ネイティブ(Android/iOS)へ依頼する「窓口」 const platform = MethodChannel('device_control'); Future<String> getBatteryLevel() async { // ここでAndroid/iOS側の処理を呼び出して結果を受け取る final result = await platform.invokeMethod('getBatteryLevel'); return result.toString(); }解説:この例は「Flutterからネイティブ処理を呼ぶ」ための形だけを示したものです。実際にはAndroid(Kotlin/Java)やiOS(Swift/Objective-C)側にも対応コードが必要になります。つまり、端末機能を深く触るほど「Flutterだけでは完結しない」ことが増える、と覚えておくと迷いません。
-
ネイティブUIの完全再現(100%同じ動き・見た目)
FlutterのUIはFlutterが描画します。そのため、OS標準の部品と“まったく同じ挙動”を細部まで揃えたい場合は調整が必要です。特にiOS特有の細かなアニメーションや戻るジェスチャーの体感は、作り込み次第で差が出ます。目安:「OS標準と完全一致」が絶対条件なら、要件に合わせて作り方を検討したほうが安心です。
-
ファイルサイズの軽量化が難しい
Flutterは便利な機能がまとまっている分、最初のアプリサイズが大きくなりやすい傾向があります。配布サイズに厳しい制約がある場合は、使う画像やフォント、不要な機能を早めに整理しておくのがポイントです。目安:「できるだけ軽いアプリが必須」なら、最初からサイズ面の確認を入れて進めると失敗しにくいです。
-
Dart言語の学習コスト
FlutterはDartで書きます。未経験でも学べますが、最初は「クラス」「変数」「関数」「状態(state)」などの言葉に慣れる必要があります。ただ、アプリを動かしながら覚えられるので、手を動かすほど理解は早くなります。目安:プログラミング未経験なら、短いサンプルを真似して動かす→少し変える、の繰り返しが近道です。
3. “できること”を試せるDartコード例
ここでは、Flutterで「画面が動く仕組み」を体験できる、もっともシンプルな例としてカウンターアプリを紹介します。 プログラミング未経験の方でも、「ボタンを押すと数字が変わる」という動きを見ることで、Flutterで何ができるのかを直感的に理解できます。
このサンプルでは、画面の中央に数字を表示し、右下のボタンを押すたびに数字が1ずつ増えていきます。 スマホアプリでよく見かける動きを、少ないコードで実現できるのがFlutterの特徴です。
class CounterApp extends StatefulWidget {
@override
_CounterAppState createState() => _CounterAppState();
}
class _CounterAppState extends State<CounterApp> {
int _count = 0; // 画面に表示する数字
@override
Widget build(BuildContext context) {
return MaterialApp(
home: Scaffold(
appBar: AppBar(title: Text('カウンター')),
body: Center(
child: Text(
'$_count',
style: TextStyle(fontSize: 32),
),
),
floatingActionButton: FloatingActionButton(
onPressed: () => setState(() => _count++),
child: Icon(Icons.add),
),
),
);
}
}
解説:
_count は「今の数字」を覚えておくための変数です。最初は 0 から始まります。
右下のボタンを押すと _count++ によって数字が1増え、
setState が呼ばれることで画面が自動的に再描画されます。
このように、Flutterでは「変数を変更する → 画面が更新される」という流れがとても分かりやすく作られています。 まずはこの仕組みを理解することで、一覧表示や入力フォームなど、より実用的なアプリにもスムーズに進めるようになります。
Flutterを「実務レベル」で使えるようになりたい人や、 iPhone / Android両対応アプリ開発の流れをまとめて学びたい人には、 定番の実践書がこちらです。
Flutter実践開発をAmazonで見る※ Amazon広告リンク
4. “できないこと”の回避策や代替案
- 本格3Dゲーム:UnityやFlutter Flameなどゲームライブラリとの併用検討。
- 低レイヤーデバイス制御:ネイティブコード(プラットイン)やプラグイン使用で対応。
- ネイティブUI再現:Platform Views(AndroidView/UiKitView)でネイティブウィジェット埋め込み。
- サイズ軽量化:コードの最適化、不要リソース削除、コード分割など対応。
- Dart習得:公式ドキュメントやサンプルで実際に触って経験を積むのがおすすめ。
5. Flutterを選ぶべきケース
- シンプル・スピーディにアプリを作りたい開発者
- マルチプラットフォーム対応を狙うプロジェクト
- 試作や実用業務アプリを素早くリリースしたい場合
- 高度3Dや低レイヤー制御が不要なUI中心開発
6. 初心者が知っておきたいアドバイス
- まずは公式「Flutter get started」で基礎を実践
- ホットリロードで試しながら理解を深める
- 制限を調べて必要なら別ツール併用を検討
- 小さく始めて、段階的にスケールアップするのが成功のカギ
まとめ
Flutterで学んだことの振り返り
この記事では、Flutterで「できること」と「できないこと」を軸に、初心者の方がアプリ開発を始める前に知っておきたい全体像を整理してきました。 Flutterは一つの言語とコード構成で、スマートフォンアプリだけでなく、Webアプリやデスクトップアプリまで幅広く対応できる点が大きな特徴です。 特に画面を組み立てる仕組みが分かりやすく、ボタンや文字、レイアウトを部品として考えられるため、プログラミング未経験者でも「見た目が動く」体験を早い段階で得られます。
一方で、すべての開発に万能というわけではなく、高度な三次元ゲームや端末の細かな制御などは得意分野ではありません。 しかし、Flutterが苦手とする部分も、他の技術と組み合わせることで現実的にカバーできることが分かりました。 重要なのは「無理に一つの技術ですべてを解決しようとしない」姿勢であり、Flutterを画面や操作の中心として活用する考え方です。
また、Dart言語についても、最初は難しそうに感じるかもしれませんが、実際には画面を動かしながら覚えられるため、学習のハードルは決して高くありません。 数字や文字を表示し、ボタンで状態を変えるといった基本的な操作を繰り返すことで、自然とアプリ開発の考え方が身についていきます。 Flutterは「小さく作って、少しずつ広げる」学習スタイルと非常に相性が良い技術だと言えるでしょう。
まとめ用ミニサンプル:学習の第一歩
最後に、この記事の内容を踏まえた「最初の一歩」として、文字を表示してボタンで内容を切り替えるシンプルなサンプルを紹介します。 複雑な処理はなく、「変数が変わると画面が変わる」というFlutterの基本を確認する目的のコードです。
import 'package:flutter/material.dart';
class SummarySampleApp extends StatefulWidget {
@override
State<SummarySampleApp> createState() => _SummarySampleAppState();
}
class _SummarySampleAppState extends State<SummarySampleApp> {
String text = 'Flutterの学習を始めよう';
@override
Widget build(BuildContext context) {
return MaterialApp(
home: Scaffold(
appBar: AppBar(title: Text('まとめサンプル')),
body: Center(
child: Column(
mainAxisAlignment: MainAxisAlignment.center,
children: [
Text(text, style: TextStyle(fontSize: 22)),
SizedBox(height: 20),
ElevatedButton(
onPressed: () {
setState(() {
text = 'ボタンで表示が変わりました';
});
},
child: Text('切り替える'),
),
],
),
),
),
);
}
}
このサンプルでは、画面に表示する文字を変数として持ち、ボタンを押したときにその値を変更しています。 setStateを使うことで、Flutterが自動的に画面を更新してくれるため、開発者は「何を表示したいか」に集中できます。 まずはこのような簡単な構成を自分で書いて動かしてみることが、Flutter学習の近道です。
生徒:
「最初はFlutterって難しそうだと思っていましたけど、できることとできないことを整理して聞くと、 何から始めればいいのかがはっきりしました。まずは画面を作るところからでいいんですね。」
先生:
「その通りだよ。最初から完璧なアプリを作ろうとしなくていい。 文字を表示して、ボタンを押して、画面が変わる。それだけでも立派な一歩なんだ。」
生徒:
「できないこともあるって分かって、逆に安心しました。 無理なところは別の技術に任せればいいって考え方が分かりやすかったです。」
先生:
「Flutterは万能じゃないけれど、得意な分野ではとても強力だ。 画面作りや業務アプリ、試作品には特に向いているから、 まずは小さなアプリを一つ完成させることを目標にしてみよう。」
生徒:
「はい。まずは簡単なアプリを動かしながら、少しずつできることを増やしていきます。」
今回のまとめを通して、Flutterがどんな人に向いていて、どんな場面で力を発揮するのかが見えてきたはずです。 基本を押さえ、小さな成功体験を積み重ねていけば、アプリ開発は決して難しいものではありません。 ぜひ自分のペースでFlutterに触れ続けてみてください。