オブジェクト指向の「抽象化」とは?共通部分をまとめる考え方
新人
「先輩、オブジェクト指向の『抽象化』っていう言葉を見たんですけど、意味がよくわかりません…」
先輩
「それはJavaの基本的な考え方のひとつなんだ。簡単に言うと、似ている部分をまとめて、共通のしくみを作ることだよ。」
新人
「共通のしくみって…どういうことですか?」
先輩
「じゃあ、わかりやすく説明していくね。まずは『抽象化』って何なのかから話そうか。」
1. オブジェクト指向における「抽象化」とは何か?(やさしい説明)
Javaなどのオブジェクト指向プログラミングでは、「抽象化(ちゅうしょうか)」という考え方があります。これは、たくさんある情報の中から、本当に必要な部分だけを抜き出して、ひとつのまとまりとして整理する方法のことです。
たとえば、現実の世界には「車」「バイク」「自転車」などの乗り物があります。それぞれに違いはありますが、「動く」「止まる」といった共通の動きも持っています。この「共通の動き」だけをまとめて考えることが「抽象化」です。
Javaでは、「抽象クラス」や「インターフェース」といったしくみを使って、この共通部分をまとめます。そして、実際に使うときは、それぞれの乗り物(車やバイクなど)が自分のやり方で「動く」「止まる」を実現します。
このように、抽象化を使うと、「共通のルールだけ決めておいて、詳しい内容はあとで決める」という便利な設計ができます。これは、Javaのプログラムをわかりやすくしたり、修正しやすくしたりするためにとても役立つ考え方です。
2. 共通部分をまとめるとはどういうことか?(日常の例でイメージ)
抽象化は難しそうに聞こえますが、実は日常生活でもよく使っている考え方です。たとえば「家電」という言葉を考えてみましょう。
テレビ、電子レンジ、掃除機、冷蔵庫など、いろんな家電がありますよね。それぞれに特徴はありますが、「電源を入れる」「使い終わったら切る」といった共通の使い方があります。この「共通の使い方」をひとつにまとめて、「家電」として扱うことが、まさに抽象化のイメージです。
Javaでも同じように、「車」や「バイク」などのクラスに共通している動き(たとえば「動く」「止まる」)を、「乗り物」という共通のクラスにまとめておきます。これにより、コードをすっきり整理することができ、あとから「バス」や「電車」を追加したくなっても簡単に対応できます。
次のように、共通の部分を持つ親クラスを作って、その中にルールだけ書いておき、実際の動きは子クラスで具体的に決めるような書き方ができます。
public abstract class Vehicle {
abstract void move();
}
このように書くと、「Vehicle(乗り物)」は「move(動く)」という機能を持っているけれど、その具体的な中身はまだ決めていません。あくまで「ルール」だけが決まっている状態です。
そしてこのVehicleクラスをもとに、「Car(車)」や「Bike(バイク)」などのクラスで具体的な動きを実装していくことで、現実の世界と同じように共通点をまとめた設計ができます。
この考え方が「抽象化」です。初心者の方は、まずは「共通点だけを抜き出して、それをルールとしてまとめる」というイメージをもってもらえると、理解が進みやすくなります。
3. Javaで抽象クラスを使う基本構文(abstractの使い方)
ここからは、Javaのコードの中で「抽象化」をどのように書いていくのか、基本的な構文を説明していきます。初心者向けにやさしく説明するので、安心してくださいね。
Javaで「抽象化」を実現するには、「抽象クラス」という仕組みを使います。抽象クラスとは、「共通の機能やルールだけを決めておくクラス」のことです。具体的な動きは書かず、あとで子クラスで実装することを前提としています。
抽象クラスを作るときには、クラスの前にabstractというキーワードをつけます。また、具体的な処理内容をまだ書かないメソッドのことを「抽象メソッド」と呼びます。抽象メソッドを定義するときもabstractを使います。
以下に、抽象クラスの基本的な書き方を示します。
public abstract class Vehicle {
// 抽象メソッド(中身はまだ書かない)
abstract void move();
}
このように書くことで、「Vehicle(乗り物)」という抽象クラスには、「move(動く)」という機能があることだけが決まっています。ただし、どうやって動くかはまだ決まっていません。
そして、このVehicleクラスを引き継いで、具体的な動きを決めるのが子クラスです。子クラスでは、抽象クラスで決められたルール(この場合はmove()メソッド)を、実際に使えるように中身を実装します。
では、次の章でこの抽象クラスを使って、より実践的なコードを書いてみましょう。初心者の方でもわかりやすいように、車とバイクの例を使って説明します。
4. 抽象化の具体的なコード例(乗り物クラスの例など)
それでは、先ほどの「Vehicle(乗り物)」の抽象クラスをもとにして、具体的な「Car(車)」や「Bike(バイク)」のクラスを作ってみましょう。
まずは、抽象クラスで共通のルールを定義します。
// 抽象クラス(共通のルールをまとめる)
public abstract class Vehicle {
abstract void move();
}
次に、この抽象クラスを使って、車のクラスを作ります。
// 車クラス(実際の動きを定義)
public class Car extends Vehicle {
@Override
void move() {
System.out.println("車が道路を走っています");
}
}
同じように、バイクのクラスも作ってみましょう。
// バイククラス(実際の動きを定義)
public class Bike extends Vehicle {
@Override
void move() {
System.out.println("バイクがスイスイ走っています");
}
}
最後に、これらのクラスを使ってプログラムを動かしてみましょう。
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Vehicle v1 = new Car(); // Vehicle型でCarを扱う
Vehicle v2 = new Bike(); // Vehicle型でBikeを扱う
v1.move(); // → 車の動き
v2.move(); // → バイクの動き
}
}
車が道路を走っています
バイクがスイスイ走っています
このコードのポイントは、どちらもVehicleという親クラス型で宣言されているところです。つまり、Vehicleという共通の型で、CarやBikeを扱っているのです。
このように書くことで、「乗り物」という共通のルールを持ちながら、それぞれの乗り物に応じた動きを実現することができます。
この設計は、あとから新しい乗り物を追加したいときにもとても便利です。たとえば、BusクラスやTrainクラスを作っても、同じようにVehicleを継承して、move()メソッドを定義するだけで使えるようになります。
Javaで抽象化を使うと、共通のしくみをまとめつつ、柔軟に拡張できるプログラムが作れるようになります。これは初心者向けの学習でもとても大切な考え方なので、ぜひ実際にPleiadesでコードを書いて体験してみてください。
5. 抽象化を使うメリット(コードの再利用・設計の見通しがよくなる)
Javaで抽象化を使うと、プログラムがとても整理されて見通しがよくなります。初心者向けにやさしく説明すると、「バラバラだったものを一つにまとめることで、あとから見てもわかりやすくなる」ということです。
たとえば、同じような動作をするクラスがいくつもあると、それぞれに同じようなコードを書かないといけなくなります。でも、抽象クラスで共通のルールをまとめておけば、そのルールにそって新しいクラスを作るだけで済むようになります。
このように、抽象化を使うことで「コードの再利用」がしやすくなります。すでにある仕組みを活かして、新しい機能を作れるので、時間も手間も少なくて済みます。
また、抽象化を使ってルールを決めておけば、「どのクラスでもこのメソッドは必ずある」とわかるので、コードを読む人にもとても親切です。初めて見た人でも、どんな使い方をしているのかがすぐに理解できるからです。
このようなメリットから、大きなシステムを作るときや、他の人と一緒に開発するときにも、抽象化はとても役立ちます。初心者のうちは実感がわかないかもしれませんが、学んでおくと後でとても助かる考え方です。
6. 初心者が抽象化を学ぶときのポイントとアドバイス
プログラミング初心者が抽象化を学ぶときに、まず意識してほしいのは「すべてを完璧に理解しようとしなくても大丈夫」ということです。
抽象化は少し考え方がむずかしいかもしれませんが、「共通している部分をまとめるためのしくみ」とだけ覚えておけばOKです。
たとえば「乗り物」という共通のクラスがあり、その中に「動く」というルールがある。車やバイクはそれぞれ動き方がちがうけど、共通のルール(moveメソッド)にしたがって動く。これが抽象化の基本的な考え方です。
最初は、「抽象クラスってなんだろう?」「abstractって何に使うの?」と戸惑うかもしれません。でも、繰り返しコードを書いてみることで、だんだんと感覚がつかめてきます。
おすすめの学習方法は、まずは自分で「共通点があるもの」を探して、それを抽象クラスにしてみることです。たとえば「動物」「楽器」「家電」など、いろんなものに応用できます。
それぞれに「共通の動き」があるはずです。「鳴く」「演奏する」「電源を入れる」などの動きは、まさに抽象化にぴったりな題材です。
また、学んだことを必ずPleiadesで実際にコードにしてみましょう。本で読むだけでなく、自分で手を動かすことで理解が深まります。
エラーが出てもあわてず、「なぜこのエラーが出たのか?」と考えてみるクセをつけていくことが、これからの成長につながります。
7. まとめ(やさしい励ましと復習)
ここまで、「Javaの抽象化とは何か?」というテーマで学んできました。抽象化とは、いろいろなクラスの「共通部分」を抜き出して、ルールとしてまとめる考え方です。
抽象化を使うことで、コードがすっきり整理され、あとから見たときにもわかりやすくなります。また、新しいクラスを作るときにも、ルールをもとに簡単に作ることができます。
初心者のうちは難しく感じるかもしれませんが、まずは「共通点を見つけて、それをルールとしてまとめる」というイメージを持つだけで十分です。
Javaの抽象クラスを使った簡単なコードを何度か書いてみることで、自然と理解が深まっていきます。
抽象化は、オブジェクト指向プログラミングの中でもとても大切な考え方のひとつです。この知識は、今後のJava学習やシステム開発の中でも大きな力になってくれるでしょう。
これからも少しずつでいいので、Javaの仕組みを一歩一歩学んでいきましょう。抽象化のような概念は、わからないと感じることがあっても大丈夫です。理解は必ずあとからついてきます。
まずは、わかったことをPleiadesで動かしてみる。それが何よりも大切なステップです。あなたのJavaの学びを応援しています!